「債務整理をしたいけど、弁護士費用を払うお金がない」という状況は珍しくありません。毎月の返済だけで精一杯で、まとまった費用を用意できないのは当然のことです。
しかし、お金がなくても債務整理は始められます。この記事では、費用の問題を解決するための具体的な方法を解説します。
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費用が払えなくても債務整理はできる
結論から言うと、手元にお金がゼロでも債務整理を始める方法はあります。主に3つの選択肢があります。
| 方法 | 仕組み | 向いている人 |
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| 分割払い対応の事務所 | 着手金を月々3〜5万円に分けて払う | ある程度の収入がある人 |
| 法テラスの立替制度 | 費用を立て替えてもらい後から返済 | 収入・資産が一定以下の人 |
| 着手金0円の事務所 | 成功報酬型。解決後にまとめて払う | 過払い金返還が見込める人など |
これら3つの方法を組み合わせることで、手元にお金がない状態でも手続きを始められます。
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分割払いに対応している事務所
多くの弁護士・司法書士事務所では、着手金を分割払いできます。月3〜5万円程度から始められる事務所が多く、収入がある程度あれば利用しやすい方法です。
分割払いの仕組み:
1. 事務所に依頼して受任通知を送ってもらう(これで督促が止まる)
2. 毎月の返済は一時停止状態になる
3. その間に、弁護士費用を月々積み立てていく
4. 積立が一定額に達したら交渉・手続きを開始
このため、事務所への費用の支払いと、以前の借金への返済が重なることはありません。まず依頼して督促を止め、それから費用を積み立てていく流れになります。
分割払いの目安:
| 手続きの種類 | 総費用の目安 | 月払い例(12回) |
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| 任意整理(3社) | 15〜30万円 | 1.5〜2.5万円/月 |
| 個人再生 | 40〜70万円 | 3〜6万円/月 |
| 自己破産 | 30〜60万円 | 2.5〜5万円/月 |
分割払い中は弁護士が受任通知を送付しているため、債権者からの取り立ては法律上止まります。精神的な余裕を持ちながら費用を準備できる仕組みです。
事務所選びのポイント:
– 分割払いの回数が多い(12回以上対応)ほど月々の負担が軽い
– 分割払いに金利・手数料が発生しない事務所を選ぶ
– 支払いが滞った場合の対応(猶予・相談できるか)を確認する
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法テラスの立替制度
法テラス(日本司法支援センター)は、国が設立した法律相談の窓口です。収入・資産が一定以下の方を対象に、弁護士費用を一時的に立て替えてくれる制度があります。
法テラスの民事法律扶助(立替制度):
弁護士に依頼する費用を法テラスが立て替え、申請者は後から法テラスに分割で返済する仕組みです。
返済条件:
– 月々5,000〜1万円程度から返済開始
– 無利子(法テラスへの返済に利息はかからない)
利用できる収入の目安(2026年現在):
| 家族構成 | 月収の目安(手取り) |
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| 単身 | 約20万2,000円以下 |
| 夫婦2人 | 約27万6,000円以下 |
| 夫婦+子1人 | 約30万9,000円以下 |
| 夫婦+子2人 | 約34万2,000円以下 |
資産についても条件があります(預貯金が一定額以下など)。正確な条件は法テラスに直接確認してください。
法テラスの使い方:
1. 法テラスのサポートダイヤル(0120-078374)または近くの事務所に連絡
2. 収入・資産の状況を確認(審査あり)
3. 審査通過後、法テラスと契約している弁護士を紹介してもらう
4. 弁護士に依頼して手続き開始(費用は法テラスが立替)
5. 手続き完了後、法テラスに分割返済
注意点:
– 审査に数週間かかることがあるため、督促が激しい・裁判を起こされているなどの緊急事態の場合は、先に弁護士に相談してから法テラス利用を検討する方がよいケースもあります
– 法テラスを通さず直接事務所に依頼する場合と比べ、担当弁護士を自分で選べない点があります
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無料相談の活用法
費用の問題を考える前に、まず「自分の状況を把握する」ことが必要です。無料相談を活用すれば、費用ゼロで専門家のアドバイスを受けられます。
無料相談で確認できること:
– 自分の状況にどの手続きが向いているか
– 過払い金が発生している可能性があるか
– 具体的な費用の見積もり
– 手続きの期間・流れ
無料相談を受けられる場所:
| 場所 | 特徴 |
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| 弁護士・司法書士事務所(無料相談) | ほとんどの債務整理専門事務所で初回無料 |
| 法テラス | 収入条件を満たせば何度でも無料相談可 |
| 各地の弁護士会 | 月数回の法律相談(有料30分5,000円の場合も) |
| 市区町村の無料法律相談 | 月1〜2回程度。30分が多い |
| 日本司法書士会連合会の無料相談 | 電話・対面で対応 |
無料相談を最大限に活かすコツ:
– 借金の一覧(借入先・残高・月々の返済額)を事前にメモしておく
– 収入の状況(手取り月収)を伝える
– 保証人・担保の有無を確認しておく
– 自宅の住宅ローン残高と物件の価値を把握しておく
情報を整理してから相談すると、短い相談時間でも具体的なアドバイスをもらいやすくなります。
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着手金0円の事務所を利用する場合の注意点
「着手金無料」「成功報酬型」を謳う事務所もあります。ただし、利用する前に確認すべき点があります。
着手金0円が成立しやすいケース:
– 過払い金の返還請求(回収できた金額の20〜25%が報酬になる)
– 比較的シンプルな任意整理
確認すべき点:
| 確認事項 | 内容 |
|—|—|
| 成功報酬の計算方法 | 着手金がない分、成功報酬が高めに設定されていないか |
| 「成功」の定義 | 交渉が一部まとまっただけでも報酬が発生しないか |
| 着手金が後で発生しないか | 条件によっては後から請求されるケースがある |
| 追加費用の有無 | 書類作成費・通信費などが別途かかる場合がある |
費用の総額を複数の事務所で比較することが、最終的に安く済む方法です。
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よくある質問(FAQ)
Q:受任通知を送ってもらった後、費用の積立ができなくなったらどうなりますか?
担当弁護士に早めに相談してください。事情によっては支払いを猶予してもらえるケースや、法テラスへの切り替えを提案してもらえるケースがあります。連絡なしに放置すると解任になる可能性があるため、困ったらすぐに連絡することが大切です。
Q:法テラスを利用した場合、弁護士は選べますか?
法テラスと契約している弁護士の中からの紹介になるため、希望の弁護士を指定することは基本的にできません。ただし、既に相談している弁護士が法テラスと契約していれば、その弁護士に引き続き担当してもらうことも可能です。
Q:法テラスの立替制度を使うと、弁護士のサービスが劣りますか?
法律上、同じサービスを提供する義務があります。弁護士費用が法テラス経由かどうかによってサービスの質が変わることはないと考えてください。
Q:生活保護を受給中でも債務整理できますか?
できます。生活保護受給中は法テラスの費用立替の対象外ですが、弁護士費用の「無料化」(返済免除)が認められるケースもあります。また、自己破産の場合、裁判所費用が免除(費用免除申請)になる場合があります。詳しくは法テラスに問い合わせてください。
Q:費用の工面に時間がかかる場合、督促が続いてしまいますか?
受任通知を送付してもらった時点で督促は止まります。事務所に依頼を決めた段階で受任通知を送ってもらえるため、費用の積立中も督促に悩まされることはありません。
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まとめ
債務整理の費用が払えない場合の対処法をまとめます。
– 分割払い:月3〜5万円程度から始められる。受任通知で督促が止まるため、費用積立と借金返済が重ならない
– 法テラスの立替制度:収入・資産が一定以下なら無利子で立て替えてもらえる。月5,000〜1万円から返済
– 無料相談の活用:費用ゼロで専門家に状況を聞いてもらえる。複数の事務所に相談して比較する
– 着手金0円の事務所:過払い金返還等では有効。ただし成功報酬の計算方法を事前に確認する
「お金がないから相談できない」という状況でも、動ける方法は複数あります。督促や精神的な負担を一刻も早く止めるためにも、まず無料相談だけでも利用してみることを勧めます。
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